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2024.08.29

むし歯は科学だ!③「歯の質(宿主因子)」に対する、むし歯予防の方法

「歯の質(宿主因子)」へ効果的なむし歯予防の方法についてお話していきます!

①歯磨き

なにはともあれ、歯磨きは重要です!どれくらいの時間をかけて磨いているのか?歯ブラシだけじゃなくフロスや歯間ブラシを最近ちゃんと使っているか?歯磨きをし忘れて寝てしまっていないか?など、少しご自身の歯磨き習慣を見直してみてください。

 

 むし歯発症の3大好発部位の図です。

隣接面はフロスや歯間ブラシなどの補助器具を使わないと汚れが落ちてくれません。年齢を重ねると、歯茎が下がり歯と歯の間の隙間が広くなり、フロスでは落としきれず歯間ブラシを使用した方が効率がよくなることもあります。

また奥歯の咬合面は複雑な溝があるので少し時間をかけて磨かないと溝の汚れが取れにくいです。歯頚部も意識しないと歯ブラシがなかなか当たっていない箇所になり、歯頚部は歯茎と近いので、磨き残しが続くと歯茎が腫れる原因にもなってきます。

  

自分では磨いているつもりでも、十分にブラッシングが行き届いていない箇所もあるので、定期検診等で歯科医院で確認してもらうことをお勧めします!

たまに染め出し液を使って自分の磨き癖を確認し、きれいに磨く習慣をつけるのもお勧めです!お子様にもおすすめで、ブクブクうがいができる年齢から使用できますよ!

 

②フッ化物の応用

フッ化物(フッ素)を歯に塗ることで、むし歯への抵抗性を高めることができます。フッ素の歯面塗布は1回だけでは効果は期待できず、年2回以上の定期的に継続して受ける必要があります。お子様の場合は1歳から大体生え変わりが終了するまで、成人の場合でも根面むし歯の予防としておすすめです!

フッ素のむし歯予防のメカニズムは

1)脱灰抑制作用

歯の結晶内にフッ素が取り込まれることによって「フルオロアパタイト」や「フッ化ハイドロキシアパタイト」と呼ばれる結晶構造に変わります。これは元々の歯の結晶構造である「ハイドロキシアパタイト」よりも酸に対して溶けにくい酸抵抗性があります。このため細菌から出される酸によるカルシウムの溶け出し(脱灰)が起こりにくくなります。

2)再石灰化の促進

フッ素が取り込まれた「フルオロアパタイト」や「フッ化ハイドロキシアパタイト」はカルシウムイオンやリン酸イオンのイオン濃度が低い状態でも再石灰化が起こりやすく、脱灰からの回復が早まります。

3)細菌の酸産生の抑制

フッ素がプラーク中の取り込まれると、細菌の代謝系酵素を阻害して酸の産生を抑制することで歯の脱灰が抑制されます。

脱灰と再石灰化については「むし歯は科学だ!①むし歯の基本的な仕組み(ブログ | 辻堂よしおか歯科クリニック (tsujido-yoshioka-dental.com)をご参照ください。

フッ素は自費診療(当院では1回550円)となります。

③シーラント

シーラントは主に乳歯の奥歯や生えたばかりの永久歯の溝を物理的に封鎖します。咬合面のむし歯予防に効果があります。  

                  

シーラントとフッ化物の併用によりむしば予防効果が増加します!

シーラント自体には年齢制限はありませんが、保険適用は12歳までとなります。

④矯正治療

歯並びがよくないと歯磨きがしにくかったり、凸凹したへこんでいる部分に汚れが残りやすかったりします。

矯正治療を行い歯並びをきれいにすることは見た目の改善だけではありません。歯ブラシの効率を上げ、むし歯の予防にもつながるのです!

 

 

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