むし歯は、様々な要因が絡み合って発症します。(ブログ | 辻堂よしおか歯科クリニック (tsujido-yoshioka-dental.com)ご参考ください)
その中で今回は、「歯の質(宿主因子:患者さん本人の持っている性質)」の部分について書いていきたいと思います。
宿主因子の中で大きな要因となるのは①歯の質と②唾液の質になってきます。
①歯の質については、まず歯の形や部位によってむし歯になるリスクは変わってきます。
前歯と奥歯(臼歯)を比較すると、奥歯(臼歯)のほうが四角く大きな形をしており、咬む面(咬合面)に深くて複雑な溝があります。また奥の方が見えにくく磨きにくいことが多いので、奥歯(臼歯)の方がむし歯になりやすい傾向があります。
また咬合面(臼歯)、隣接面(歯と歯の間)、歯頚部(歯と歯茎の境目)に関しても、むし歯発症の3大好発部位と言われており、むし歯になりやすいところとなります。また自浄部位とは唾液の洗浄作用や咀嚼による頬・唇・舌の動きによってプラークがたまりにくい部位です。3大好発部位は自浄作用が及びにくい部分と一致しています。
他にも、元々の歯の形態が凸凹していて溝が深い場合、被せものや入れ歯が入っている、歯並びが悪いなどの場合もむし歯のリスクが高くなります。
また自分の歯の耐酸性が低い場合は、細菌が出す酸への抵抗力が弱いのでむし歯になりやすいです。
次に②唾液の質についてです。
唾液腺から分泌される唾液には、カルシウムや抗菌・免疫物質などの重要な物質が含まれています。
そして唾液は左図(←)に示すようないろいろな役割を担っています。
ストレス、加齢、病気、薬の副作用などが原因で唾液の分泌量が減ってくると、唾液の作用が低下しむし歯や歯周病にもなりやすくなります。
また元々の自分の唾液の性質として、緩衝作用が低い、再石灰化作用が低いなどの原因があると虫歯になりやすい可能性があります。
次回は、宿主因子に対するむし歯予防の方法についてお話していきたいと思います!